バブル崩壊後特有の現象

バブル崩壊後特有の現象

バブル崩壊後に特有の現象もある。住宅バブル崩壊で建設労働者の失業が急増し、長期化している一方、IT等の最先端技術者は人手不足となっており、米国でも日本同様、雇用のミスマッチが広がっている。FRBは米国の構造失業率を5〜6%とみているが、もっと高い可能性がある。

 

さらに、製造業の縮小や産業構造変換の転換も同時に起きている可能性がある。製造業の雇用者は05〜06年の好況期にも大きく増加することはなく、現在は01年頃の水準に比べると約2割雇用を減らしている。

 

一方、医療・介護従事者は単調増加の一途をたどっている。米国でも高齢化が進行する一方、企業の新興国での事業展開やアウトソーシングもあって、就業構造が大きく変化しつつあると考えられる。こうした変化の流れも、消費者マインドに影響している可能性もある。

 

財政政策による景気下支えも昨年秋には大部分が終了し、それ以降は、財政はむしろ景気下押し要因として働くようになっている。特に州・地方政府は財政状況が悪化していることから、大幅な歳出の削減を続けており、GDPでみると10年10〜12月期から政府部門の寄与はマイナスとなっている。

 

このように、米国では09年夏以降の回復を支えてきた財政、金融政策の効果が息切れして、いわば薬が切れた状態になっている。09年の時点では、ニューヨークやワシントンの多くのエコノミストがi-H年には薬がなくてもぽ律的に民間需要が伸びていく姿を想定していた。しかし、現在の米国経済には成長のエンジンとなる需要が見当たらない。

 

ドル安にもかかわらず、輸出の伸びも停滞している・雇用の回復も期待していたほどみられない。そこへ欧州のギリシヤ危機の再燃やコンディション(波及)の広がりによる更なる株価下落、東日本大震災によるサプライチェーン寸断の影響も重なって、経済をめぐる悪材料が増えてしまった。それがこのところの景気回復が極めて弱い原因である。これまで多くのエコノミストが描いていたシナリオの雲行きが怪しくなってきている。

最新の為替相場(FX)欧州時間は、米国株式先物の推移などを考慮してドル円やクロス円通貨がアジア時間の急騰からの下落に歯止めをかける格好となったものの、その後スイスフランが急騰すると、ユーロやポンドが下落する展開を強めたためにその他の主要通貨も頭の重たい展開となり、これらのクロス円通貨も値を下げる動きとなった。一方ドル円は、主要通貨に対するドル買戻しの流れの影響で、アジア時間に示現した高値に迫る水準まで値を回復する動きを演じる事となった。