米国経済には家計の債務超過が重し

米国経済には家計の債務超過が重し

このように金融危機後の回復ベースが特に遅い背景には、家計のバランスシート調整が重しになっていることがあげられる。住宅バブルが06年夏をピークに崩壊し、住宅価格はピークから32%も下落、家計には重い債務負担だけが残された。

 

家計の貯蓄率は、一時期は1%前後と米国の過剰消費体質の象徴だったが、リーマンーショツク後は、借金返済や貯蓄の積み増しにより上昇し、概ね5〜6%台で推移している。家計の債務残高の可処分所得比もピーク時は1.4倍まで上昇したが、その後、借金返済に加え、金融機関の融資態度の厳格化もあって債務の残高が減り、現在は1.2倍まで低下している。

 

こうした家計のバランスシート調整は必要不可欠なものであるが、過去の景気回復に比べて消費の回復が弱いI因にもなっている。住宅市場は依然として低迷しており、09年には下げ止まったように見えた住宅価格も昨年夏から再び低下傾向にある。こうしたなかでは、持ち家を売ることも難しく、住宅ローン返済を抱えた家計のバランスシート調整(非遡及型融資)なので持ち家をあきらめれば借金はリセットされる。また、最近は、賃貸住宅の人気が高まっている。しかし、全体としては家計の消費余力は少ない。

最新の為替相場(FX)欧州時間は、米国株式先物の推移などを考慮してドル円やクロス円通貨がアジア時間の急騰からの下落に歯止めをかける格好となったものの、その後スイスフランが急騰すると、ユーロやポンドが下落する展開を強めたためにその他の主要通貨も頭の重たい展開となり、これらのクロス円通貨も値を下げる動きとなった。一方ドル円は、主要通貨に対するドル買戻しの流れの影響で、アジア時間に示現した高値に迫る水準まで値を回復する動きを演じる事となった。